知っておきたい配偶者貸付

2010年に施行された総量規制。
個人が借入できる限界を年収の三分の一以内に制限する、というもので、これにより、収入のない専業主婦(主夫)は、気軽にお金を借入することが難しくなってしまいました。
その救世主的存在として誕生したのが配偶者貸付です。
当人に収入がなくても(収入が少なくても)、配偶者の収入と合算してその三分の一までは借入ができるという、専業主婦(主夫)にとっては願ったり叶ったりな制度ではありますが、中身を開けたらオイシイところばかりじゃなさそうで・・・。
そのメリット・デメリット、意外な活用法!?についてナビします。

配偶者貸付とは?

総量規制(総量規制を徹底解説!対象外のカードローンとは!?)の施行により、個人として借入できる限度額が年収の三分の一になりました。
つまり、収入のない、少ない専業主婦(主夫)は借入が難しくなったということ。
そもそも収入がなかったら年収も0だし、パートなどでお小遣いを稼いでいる立場でも借入できる金額はわずかなものですよね。
そんな方々を救うために総量規制の例外として設定されたのが、配偶者貸付です。
収入がなくても(少なくても)、配偶者がいるなら相手の収入を「担保」に消費者金融や銀行から借入できるというもので、自分と配偶者の収入を合算した世帯年収の三分の一まで借入可能になります。
借入に伴って配偶者が保証人になるわけではないので負い目が少なく感じるのも、魅力のひとつです。

実際、いくらまで借入できるの?

「自分と配偶者の収入を合算した世帯年収の三分の一まで借入できる」と前述しましたが、では実際はどうなのでしょう。
実は、すでに借入がある場合には、(世帯年収の三分の一)-(すでにしている借入)の額しか借入できません。
ましてや、世帯年収の三分の一以上の借入がある場合は、借入は不可能!
また、配偶者が「ブラック」の場合も借入は不可能となっています。
そして、肝心の融資額も、配偶者の年収が高い場合は高い限度額を期待しがちですが、一般的には30~50万円と「全然年収の三分の一ではない!」というのが実態のよう。
配偶者の年収のうち、借入する当人がどのくらい使用しているのか把握できない、審査コストがかかる、といった背景から「この金額なら(収入のない立場でも)返済できるだろう」というラインに設定されているようです。

配偶者貸付の手続きとは

この時点で少し「???」と疑問を持ってきた読者もいるかもしれません。
それでも配偶者貸付を検討している方に、手続きに必要なエトセトラを下記にご説明します。
下記は消費者金融を利用する際の条件です。

配偶者に一筆書いてもらう必要があるため、「夫(妻)に内緒で借入したい」という方には完全にアウトです。
なお、偽造した場合は「私文書偽造」の罪に問われることもあるので注意。

「今、すぐ」借入したい場合にはまったくもって不向きですよね。

銀行系は総量規制の対象外なので、機関によって条件が異なるものの、同意書を必要としないことがほとんどです。

配偶者貸付のリアルを徹底解明!

これまでの話から、配偶者貸付とは、
1)収入のない(少ない)専業主婦(主夫)でも、配偶者に稼ぎがあるならお金を借入できる
2)手続きに手間がかかる
3)配偶者の同意書が必要
なため、家族バレは必至(消費者金融の場合)ということをお分かりいただけたと思います。
では、もう少し掘り下げていきましょう。

受け付けてくれる金融機関が限定されている

実は大手の消費者金融では、審査に手間やコストがかかるという理由で配偶者貸付を実施していません。
実施しているのは、中小の消費者金融と信販系、銀行系カードローンのみです。
また、銀行によっても対応は異なり、なかには三菱東京UFJ銀行カードローン「バンクイック」のように、配偶者の同意書や収入証明書も必要としない機関もあります。

配偶者の在籍確認はない

自分が借入をするのに、配偶者の会社に在籍確認の連絡がいくと気まずいですよね。
これは結果からいうと、ほとんどの金融機関は在籍確認の連絡をしません。
これは、借入を申し込むのが「専業主婦(主夫)」である時点で、世帯に収入があるとみなされるためです。
また、賃金業法により当事者以外の第三者に借金の事実を知らせてはいけない、という決まりがあります。
そのため、当然配偶者の同意を得る配偶者貸付でも、配偶者=第三者となり、配偶者の在籍確認はしないことになっているのです。

審査はとおりにくい

消費者金融で借入する場合は、本人だけではなく配偶者の信用情報も審査の対象になります。
そのため、配偶者に遅延・延滞情報があれば、たとえ本人がホワイトでも審査が落ちる場合もあります。
それ以前に、まず必要書類を用意するのに手間がかかり、審査までたどり着かないというパターンが大半のようです。
また、銀行の場合は、消費者金融よりも審査が厳しくなります。

配偶者貸付に裏技が!?

あまりメリットを感じられない配偶者貸付ですが、活用法によっては、意外なメリットも!?そのケースを紹介します。

1)離婚を想定した場合
配偶者貸付の場合、配偶者=保証人ではなく、名義はあくまでも借入した本人のため、万が一離婚した場合、配偶者には返済の義務がありません。つまり、たとえ収入がなくても返済を強いられるということ・・・。
もしも将来的に離婚の可能性があるとしたら、配偶者にとっては配偶者貸付もリスク管理のひとつ、とも言えるかもしれません。

2)住宅や車など、大きな買い物を控えている場合
将来的に住宅や車などの購入を検討している場合に、収入のある配偶者に借入の履歴があると審査のマイナスポイントになる可能性が。
それを回避するために、あえて収入のない専業主婦(主夫)が配偶者貸付を利用して借入をする、という選択肢もあります。

配偶者にバレたくない、そんな場合は銀行カードローンを

お金は借りたい、でも配偶者にバレるのは困る、という方は、銀行カードローンがオススメ。(リンク:専業主婦でも夫に内緒でカードローンを使う方法
というのも、銀行カードローンはもとから総量規制の対象外のため、配偶者の同意書などが必要なく本人確認書類だけで契約できる機関もあります。
ただし、借入できる金額は低めに設定されていることが多く、審査も消費者金融より厳しめ。
それでもバレたくないなら、銀行カードローンを選ぶのが賢明でしょう。

まとめ

収入のない(少ない)専業主婦にとって、お金を借入するのは至難のワザですが、配偶者貸付を利用することで借入可能だということを紹介しました。
配偶者バレが必至、手続きの手間がかかる、利用できる機関が限られているなどのデメリットが多々あり、だったら収入のある配偶者が借入すればいいのでは、という考えもあって利用する人は少ないですが、賢く利用したら(長い目で見たら)リスク管理の一助になることもあります。
また、同じ配偶者貸付でも銀行カードローンをチョイスすれば、さほど手間もかかりません。
専業主婦(主夫)だから借入できない、と思い込んで悪徳金融業者に走ることは間違っても避けて、制度を知って賢く借入しましょうね!