ここにたどり着いた大半の方が、お金を工面したい方、あるいはお金について知識を得たい方ではないでしょうか?

とくに「今、すぐ!」お金が必要な時って、貸りることができるならもうどこでもいいや、と、目に入った金融機関に手当たり次第に融資を申込みがちですよね。

また、低所得だと一般的なカードローンに申込むことすら不可能だったり・・・。最悪、闇金に手を出して取返しのつかないことになってしまう、なんてことも!?でもそんな時こそ冷静になって、お金に対するアンテナを張ることが重要です。そう、無知は罪なり!知らずに損しているのって、もったいなくないですか?逆に言えば、英知持つもの英雄なり!

そんな「知る人だけが得をする」とも言える制度が、今回ご紹介する「生活福祉資金貸付制度」です。制度上、「今、すぐ!」には応用がきかないとは言え、条件さえ合えば無利子か驚くほどの低金利で、さらに国の公的融資だから安心・安全にお金を借入することが可能なのです!

生活福祉資金貸付制度とは?

生活福祉資金貸付制度は、低所得者を支援するための国による貸付制度です。

基本的には生活支援のための制度であるため、債務の借り換えなどの目的には利用不可(=多重債務者は借入NG)。管轄は厚生労働省で、実際の貸付窓口は各都道府県、市町村の社会福祉協議会になっています。詳細には、下記に挙げられる4つの制度があります。

・総合支援資金(生活支援費、住居入居費、一時生活再建費)
失業などの理由で生活が困窮している世帯に対して、自立支援を促すために資金貸付を行う制度。生活費、住宅入居費、生活再建費などを貸付します。

・福祉資金(福祉費、緊急小口資金)
低所得者世帯・障害者世帯・高齢者世帯に無利息or低金利で資金を貸付します。低所得者世帯の一時的&緊急の資金需要に対応する「緊急小口資金貸付」もアリ。

・教育支援基金(教育支援費、修学支度金)
低所得者世帯の子どもが高校、大学、専門学校に進学するための費用や、入学に必要な資金を貸付する制度。

・不動産担保型生活資金(不動産担保型生活資金、要保護世帯向け不動産担保型生活資金)
不動産を所有している高齢者に、不動産を担保として生活資金の貸付を行う制度。

どんな人が借入できるの?審査は?借入できる金額は?

各都道府県、市町村の社会福祉協議会の職員が貸付可能かどうか判断します。そのハードルは想像以上に高いのが現状のようです・・・。まずは基本的なスペックに加え、さらにマストな条件をナビします。

・低所得者世帯
資金の貸付と必要な支援で独立自活できると認められ、必要な資金をほかの金融機関から借入することが難しい世帯(市町村民税非課税程度=所得35万円以下、概ね生活保護法に基づく生活扶助基準の1.7倍程度)。※収入基準は地域によって異なります。

・高齢者世帯
日常生活上で、療養OR介護を必要とする65歳以上の高齢者がいる世帯。

・障がい者世帯
身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けた人などが属する世帯。

ポイントは、「個人」への貸付ではなく、「世帯」に対する貸付という趣旨で運営しているということですね!

その他の貸付条件

上記に当てはまる!国からお金を借りられる!と、ぬか喜びするにはまだ早い!実は、貸付してもらうためにはほかにもさまざまな条件があります・・・。

お金を返済する見通しがある【←社会福祉協議会の職員によるジャッジ】
・申請から貸付までの1カ月~数カ月(緊急小口資金は一週間以上)待つことができる
・該当する都道府県に住居がある、もしくは制度申請後に住居を確保する見通しがある※生活福祉資金貸付制度は住所がある人が対象のため、住居がない場合には「住宅支援給付」などを先に受けて住まいを確保する必要がある
・本人と証明できる公的書類がある
・貸付を受けることをハローワーク、社会福祉協議会などの関係機関が承認している
・社会福祉協会が貸付元となっている貸付制度の連帯保証人になっていない
・社会福祉協会や民生委員の支援を拒否しない
借りかえ目的でない(=多重債務者はNG!)
・失業保険など、公的支援を受けていない、受ける見込みもない※ただし、生活保護とは併用可能な地域もあり
以上をすべてクリアしないと、貸付対象にはならないので審査はかなり厳しいと言えますね・・・。

どのくらいの額を借入できるの?利子は?

貸付限度額や利子は、資金の種類によって異なります。

資金の種類 貸付限度額 利子
総合支援基金 生活支援費 (二人以上)月20万円以内
(単身)月15万円以内
・貸付期間:12月以内
保証人あり:無利子
保証人なし:年1.5%
住宅入居費 40万円以内
一時生活再建費 60万円以内
福祉資金 福祉費 580万円以内 保証人あり:
無利子

保証人なし:
年1.5%

緊急小口資金 10万円以内 無利子
教育支援資金 教育支援費 <高校>月3.5万円以内
<高専>月6万円以内
<短大>月6万円以内
<大学>月6.5万円以内
無利子
就学支度費 50万円以内
不動産担保型生活資金 不動産担保型生活資金 ・土地の評価額の70%程度
・月30万円以内
・貸付期間:借受人の死亡時までの期間又は貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間。
年3%、または長期プライムレート(銀行長期最優遇貸出金利)のいずれか低い利率
要保護世帯向け
不動産担保型生活資金
・土地及び建物の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%)
・生活扶助額の1.5倍以内
・貸付期間:借受人の死亡時までの期間又は貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間

保証人がいるなら無利子(!)、最大でも3%と、カードローンの利子よりもかなりオトクとは言え、貸付限度額は低めに設定されている模様。

そもそも低所得者世帯を支援する制度なのだから、最低限の貸付しか行わない、というのは納得かも。それでも一時的に現金が手に入る、というのはありがたいですよね!

ただし、約束した期間に返済できなかった場合は延滞利子(年10.75%)が加算されるので、返済の遅延には注意しましょう。

申請から貸付までの流れ

申請(相談)から貸付までには、通常3週間~1カ月以上を要すると言います。消費者金融などが「即日融資」も可能な中、このスピードはかなりスローペース。貸付条件に当てはまる人なら、予め計画を立てて余裕を持ったスケジュールで利用したいもの。申請から貸付までの流れを、資金の種類別に説明しましょう。

①福祉費、教育支援資金、不動産担保型生活資金
住んでいる市区町村社会福祉協議会に相談して、必要書類を用意し、貸付の申請をする。

申請書類などに基づき、市区町村社会福祉協議会および都道府県社会福祉協議会が申請内容の確認&貸付の審査を行う。

貸付決定通知書(=貸付OK)または不承認通知書(=貸付不可)が送られてくる。

貸付OKとなった場合、都道府県社会福祉協議会に借用書と印鑑登録証明書を提出する

貸付金交付になる。

②総合支援資金、緊急小口資金
生活困窮者自立支援制度における自立相談支援機関の利用が貸付の条件。※就職が内定している場合などは適用されない。先に住居のある市区町村社会福祉協議会に相談した場合は、資金借受希望などを聞かれた後に、自立相談支援機関の利用を案内される。

自立相談支援機関の利用

総合支援資金、緊急小口資金を利用できる可能性がある場合のみ、必要書類を用意して貸付の申請をする。

申請書類などをもとに都道府県社会福祉協議会が貸付の審査を行う。

貸付OKとなった場合、都道府県社会福祉協議会に借用書と印鑑登録証明書を提出する。

貸付金交付になる。

なお、返済については、各資金の種類により措置期間(返済を待ってくれる期間)や返済期間が異なります。

申請に必要な書類をチェック!

貸付資金の種類によって提出する書類は異なりますが、審査申込には一般的に下記の書類を必要とするようです。
・健康保険証と住民票の写し
・世帯状況を証明する書類
・連帯保証人の収入証明など
・障がい者手帳、求職中であることが分かる書類など
審査に通過したら、窓口で交付される借用書と印鑑証明書を用意して都道府県社会福祉協議会に提出します。

これだけの書類を用意する労力と時間があるのなら日雇いで働いた方が、話が早い場合もありそう・・・。とは言え、無利子~年3%の金利の低さは魅力的ですよね・・・。

生活福祉資金貸付制度のリアル

低所得でお金を借入することもできず生活に困っている人にとっては夢のような制度かもしれませんが、実際に審査が通るのは高齢者か障がい者の方の確率が高く、それ以外は相談しても失業保険や生活保護、債務整理、公共機関系の金融機関など「ほかの手段」を勧められることが多いようです。

死亡者や行方不明者も多く貸付したところで未回収金が貸付額の三分の一だというから、審査が厳しいのもやむを得ないのかもしれませんね・・・。

まとめ

無利子もしくは圧倒的な金利の低さで、消費者金融や銀行カードローンと一線を画す生活福祉資金貸付制度。仕組みが少し複雑で審査も厳しい、貸付まで時間を要するというネックはあるけれど、条件に一致するなら最強の味方になること間違いナシ!公的融資のため安心・安全なのも魅力のひとつです。

だけど、いくら公的融資といっても借金は借金。無事借入できることになっても、しっかりとした返済計画を立てて利用しましょうね!