金融庁

金融庁は2016年の年末から、銀行カードローンの規制強化を視野に入れた調査を開始しました。銀行側に過剰な融資・宣伝がないかどうかを調べるもので、その結果によっては銀行および銀行カードローン利用者に大きな影響が生じる恐れがあります。

では、なぜこのような事態に陥ったのでしょうか。その背景と現状、今後の展望に迫ります。

銀行カードローンが自己破産の原因に!?その背景とは?

2016年に自己破産者が前年比1.2%増の6万4637件になり、13年ぶりに増加しました。これには、無担保で高額を融資する銀行カードローンが関与しているのではないかと考えたのが、今回の調査の背景だといいます。

というのも、2006年の総量規制(参考:総量規制を徹底解説!対象外のカードローンとは!?)により、貸金業者は年収の三分の一を超える貸付が禁止になりましたが、銀行カードローンは規制の対象外で、年収の三分の一を超える貸付もOKなのです。結果、利用者の返済キャパシティーを超える「借りすぎ」な事態を引き起こしているのではないか、というのが金融庁の見解。

また、日本弁護士連合会が2016年に金融庁に提出した意見書によると、無収入の人が銀行カードローンから300万円を借入したケースなどもあるのだとか。

なぜ銀行カードローンの利用者が増えたのか。

2006年の総量規制、2010年に施行した改正貸金業法により、消費者金融を含む貸金業者への規制が強化されました。その結果、貸金業者は利用者にお金を貸出しにくくなり、利用者も借入が制限されるように・・・。

その一方、銀行カードローンは規制の対象外、さらには主婦でも借入OK、高額な借入も可能なため、銀行という安心ブランドも追い風となって利用者は増加の一途。利用者にとってのお金を借入する敷居の高さが消費者金融>銀行になったのですね。

そもそも安心・安全・クリーンなイメージがある銀行が、なぜカードローン業界に?

従来、銀行というと、金融業界の花形でした。それが現在では、経営難に陥っているといいます。そのため、経営を維持するべく確実な収益が見込めるカードローン業界に参画してきたのだとか。

その経緯として、下記のステップがあります。

①日本銀行が2013年から進めている量的緩和の一環で、2016年にマイナス金利が導入されました。これにより貸出金利が低下し、銀行の資産運用が困難に

②金融庁より銀行に、貸出利益以外の資産運用を検討しろ、とのお達しが。

③代替策として手数料ビジネスを開始するも、これまた金融庁から厳しいチェックが。2016年には、窓口で販売する保険商品の手数料開示も迫られるように。

④新しい収益モデルとして、カードローン業界に参画

つまり、銀行が経営を維持する最後の砦がカードローンだったのですね・・・。

実際に規制が強化されたら、私たちの生活に影響は?

銀行にとって渾身の収益モデルであるカードローンにまで規制がかかるとなると、経営難がさらに進むということは理解に易いですよね。では、そうした場合、私たちの生活にどんな影響があるのか、考えてみましょう。

すでにマイナスな影響を受けている!

実は規制の強化以前に、私たちの生活に銀行の経営難による影響が生じていました!各銀行は続々と手数料やシステムの変更を実施していたのです。代表的な事例をビフォーアフターで下記の表にまとめてみました。

行名 変更前 変更後
三井住友銀行 利用口座の取引時点での預金残高が10万円以上の場合、手数料無料 利用口座の預金残高にかかわらず、手数料108円(消費税込/回)
みずほ銀行 みずほマイレージクラブカードの毎月の利用、または一定金額以上の預金で時間外手数料無料 インターネットバンキングへの初回登録などが必要に
ゆうちょ銀行 ATM送金手数料無料 ATM送金手数料が月3回まで無料、月4回目以降は123円
千葉銀行 ATM振込105円(3万円未満)、315円(3万円以上) ATM振込210円(3万円未満)、420円(3万円以上)

さらに規制が厳しくなったら、利用者にとっては当然、銀行カードローンの借入可能額が下がったり、そもそも審査に受からない、などの支障が生じてきますよね。

金融庁の警鐘を受けて銀行はどう動く?

金融庁の「主要行等向けの総合的な監督指針」、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」などに基づき、一般社団法人全国銀行協会は2017年3月、銀行による消費者向け貸付けについて改正貸金業法の趣旨を踏まえた広告などの実施および審査態勢などの整備をさらに徹底するよう申し合わせをしました(「銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ」)。要は、利用を喚起するような広告の見直しと、審査を厳しくしましょうというもの。

ただし、実施については各行次第のため、その効果が出るのかどうかは分かっていません。金融庁も現在静観している状態ですが、法律による「今、すぐ」の規制は免れた模様です。

まとめ

すでに銀行カードローンを利用している場合は、無理のない、計画的な利用だったら金融庁による規制もとくに影響はナシ。今後も完済目指して頑張りましょう♪むしろ影響があるのは、これから銀行カードローンを検討している人かも。今後万が一規制が厳しくなると、審査も厳しくなるので銀行カードローンを持ちたくても審査に通らない可能性もありえます。カードローンはお金のリスクに備えるという意味でも強い味方。規制が厳しくなる前に、検討してみてはいかがでしょうか?